栄養成長中期(V6ーV11)
この期間にトウモロコシは非常に速い節間伸長を開始します。生長点はV6ステージには地上部に移り、このため生長点を害する環境や機械的要因による損傷に対して脆弱になります(図20)。 この速い成長の結果、最初の葉(鞘葉)を含む最下部の3ー4枚の葉が茎から落ちて分解し、消失することがあります。この場合は栄養成長ステージの特定に葉数以外の方法を用います。 生育ステージを求める方法の1つはトウモロコシを掘り出し、その茎を縦に割き開く方法です。栄養成長初期には節間伸長がほとんどないため、第1節から第4節までは強く押し縮められたような状態となり、節間が目で確認できません。節間が顕著に現れるのは通常第4節と第5節の間からで、この長さはおよそ0.6㎝くらいです。そこで第5節に着いた葉を確認し、それに続く上部の葉を数えることで生育ステージが判断できます(図21)。 生育ステージを知るもう一つの方法は6番目の葉を特定することです。先ず地表面にある節を探します。土壌が中耕などで動かされていなければ、通常その節が第6節になります。この第6節に着いた葉(第6葉)を確認し、続いて上部の葉数を数えて生育ステージを判断します。
米国のコーンベルト中央部ではトウモロコシの粒列数はおおよそV7ステージに決まります。この同じ時にイアーシュート(図20)と分けつ、また雄穂(図22)も確認できるようになります。 この時期は高緯度の北部地域ではもう少し早いステージに、熱帯地域では遅いステージになります。 粒列数は細胞分裂の結果、常に偶数となります。中生品種のほとんどは、粒列数が平均で14ー18列になりますが、これより多い場合も少ない場合もあります。早生品種と粒列数には高い負の相関があります。 粒列の絶対数は品種の遺伝的形質に強く左右され、多くの場合特定の場所では一定の値となります。 粒列数が決まる時期に厳しい代謝ストレスが生じると(例:除草剤の散布)粒列数が減少する場合もあります。