収穫の要点
~収穫のタイミング~
子実コーンは生物的には完熟期(ブラックレイヤー期:水分は30~35%)に養分充足が100%となりますが、機械収穫を行うことから、収穫時のロスや損傷などを軽減する必要があり、収穫は子実の水分が25%以下になってからが望ましいです。
これは低水分の方が、子実がコブ(子実コーンの芯)から脱粒し易い為です。反対に水分が高いと未脱粒や子実の割れが増加します。また収穫時の水分が低い方が、乾燥時間が短くて済むため燃料費の削減にもなります。
~機械の選択と調整~
海外製のコンバインは子実コーン収穫に機械的に対応しているのが当然で、どの機種でも収穫が可能です。またコーンヘッダーのオプションも容易に入手が可能です。一方、国産の汎用コンバインは中型~大型機のみが子実コーン収穫に対応で、更に脱粒・選別を良好にするためのコーンキットの追加装備、専用コーンヘッダーの使用が望ましいです。
海外製コンバインのコンケーブ設定は段階が豊富でコブの直径に応じてクリアランス調整をキャビン内から行うことが可能です。未脱穀が多くなるくらいの広めのクリアランスからスタートし、シリンダーの回転は遅めに調整します。子実の脱穀・選別状況を確認しながら、クリアランスを狭めていき、脱粒・選別の精度を上げていきます。その後シーブの開き具合を子実のサイズに応じて行います。シリンダー回転数を上げ過ぎると、コブが砕けてしまい、コブと子実のサイズが同程度となると、シーブでの選別が難しくなりますので注意が必要です。
国産汎用コンバインは脱穀部分の設定や調整がオプションを取り付けるなど、マニュアル対応になります。回転数の設定が海外製と比べて少ないこともある為、メーカーと相談の上、設定を決める必要があります。
~収穫残渣の処理~
収穫後の茎葉残渣の処理は土壌微生物による分解を促進する為にも、ストローチョッパー等で茎葉を粉砕することが望ましいです。茎葉残渣が長いまま残留すると、次作の作物の発芽や初期生育に悪影響が出る可能性もあります。