苗立枯病
2-4葉期にトウモロコシの地上部が急にしおれて枯死する病気で、糸状菌が原因です。原因はピシウム、フザリウム等の土壌病原菌で低温・多湿条件で播種をすると発生します。 また播種深度が深すぎる場合や、除草剤によるストレスが強い条件では発生が助長されます。このため、土壌が湿っている条件下で無理やり播種し、鎮圧ローラーをかけることも避けなければなりません。 環境変動が大きく、同一品種を播種した隣接する圃場でも発病程度が異なることもしばしば観察されます。一方、南方サビ病やごま葉枯病のような明確なものではありませんが品種間に緩やかな遺伝的差異が認められています。パイオニアでは現在この選抜をおこなっており、まもなく抵抗性品種をお届けできると思います。
市販品種は通常殺菌剤で粉衣してあり、病原菌が種子に直接感染して腐敗させることは少ないと思われます。 ただしこの殺菌剤の効果は発芽までで、出芽途中の幼しょう、中茎、根に対する効果はほとんど無く、多くの場合は出芽後に中茎・種子根が腐敗し、その後全体に腐敗が広がって枯死しています。 腐敗が永久根まで広がると全体が枯死に至いたります。永久根が残れば枯死に至らず回復する場合がありますが、正常な生育は難しくなります。