ネキリムシ(タマナガヤ・カブラガヤ)
幼虫がトウモロコシの幼苗に大きな食痕をつけた り、地際で切断することから一般に「ネキリムシ(根切り虫)」と呼ばれるガ一種です。一般的にタマナヤガとカブラヤガの幼虫を指します。 終齢幼虫は体長約35~50mm。両種の幼虫は外見がよく似ており、混発することもありま す。頭部は褐色、黒褐色の網状斑があり、体は灰褐 色~褐色。タマナヤガは北陸以北では越冬できず、暖地では越冬します。カブラヤガは東北でも越冬します。 イネ科雑草の地際の葉に産卵し、幼虫は雑草を摂食します。トウモロコシに産卵することは少ないので若齢幼虫の被害はほとんど問題になりませんが、生育するにつれて雑草地から近隣の圃場へ侵入し、トウモロコシの幼苗の根元を食害します。このため発生源となる周辺の雑草を防除するとこは重要です。 しばしば茎を 切断するので、地面に倒れている株の姿から加害されたことがわかります。幼虫は夜行性で、昼は地中に潜んでいるため、新しく倒された株の根元の土を 掘ると幼虫が見つかることがあります。 多数の成虫がアジア大陸や国内の他地域から集団で牧草地等に飛来し、突発的に大発生する例が知られています。地中で蛹化し、新成虫は新たな産卵場所を求めて飛び去るので、同一圃場では大発生が繰り返すことは少ないと思われます。