栽植本数と株間
栽植本数は圃場の立地や作型、品種の特性によって前後しますが、北海道においては9,000本/10a前後、府県においては7,000~7,500本/10aが現状では一般的です。
子実コーンは疎植になれば雌穂は大きくなり、密植になると雌穂は小さくなります。但し収量を構成する要因は(雌穂1本当たりの子実の数)×(栽植本数)です。つまりほどほどに大きい雌穂が均一に数多く揃っているケースが最も高収量となります。よって、株間を均一に確保し、一定の株立本数とすることが、収量の安定には欠かせません。
畝幅に特段の推奨はありません。追肥や防除作業を行いやすい(トラクターが入り易い)畝幅、もしくはコーンヘッダーの情感に近い畝幅に設定し、栽植本数は株間で調整してください。
以下の写真は株間のバラツキが大きい例(上)と小さい例(下)の雌穂サイズを比較したものです。株間が空いた部分の雌穂は大きくなりますが、欠株分を完全に補うまでには至らない為、同様の栽植本数の場合は株間が均一な方が収量性は高くなります。
株間がバラついて密植になると適正なものと比べ①が細く(倒れやすい) ②不稔が発生する ③病害抵抗性が低下する、などの症状があらわれます。以下の写真の左側は適切な株間、右側は密植となってしまった部分です。右側は茎が細くなっているうえ病気に罹り、雌穂が脱落しています。
上記より栽植本数の考え方を纏めると以下のようになります。 1. 栽植本数増加によって収量は増加するが、ピークに達すると逆に減少する 2. ピーク後の収量低下の要因は倒伏、不稔発生、病害の増加 3. ピーク本数は早生で多く、晩生で少なくなる 4. ピーク本数は早播きで少なく、遅播きで多くなる 5. 適正本数は地域の気象特性、品種、圃場生産性、肥料施用量、地理的倒伏リスクなどによって変化する