アワノメイガ
アワノメイガ
幼虫がトウモロコシの稈や雌穂の中に侵入するガの一種で、最も普通に見られる重要害虫です。茎などに孔を開けて侵入していくため英語でCorn Borerと呼ばれます。終齢幼虫は体長20-25mm、頭部は暗褐色、体はやや透明な淡褐色で小黒点が点在します。
アワノメイガは幼虫で越冬し、春先に蛹化して成虫になります。 2-3 齢以降になると植物体に孔を開け、内部に侵入するようになります。
トウモロコシの生育初期は未展開の葉や葉鞘を食害し、雄穂形成期以降は雄穂への侵入、絹糸抽出前後からは雌穂へ侵入することが多くなり、侵入孔の周囲には乳白色~黄色の虫糞や破砕くずが堆積します。
食害部は組織が脆弱になるので折れやすく、稈では下部...
アワヨトウ
アワヨトウ
突発的に幼虫が大発生し、トウモロコ シ、ソルガム、イネ、牧草等のイネ科植物を食い尽くして地域一帯に大きな被害を出すガの一種です。英語でArmywormと呼ばれ、一帯を食い尽くし兵隊のように集団で地面を移動することからこのように呼ばれます。
成虫は 前翅長15~20mm。終齢幼虫は体長30~45mm。幼虫は生育密度によって色や行動が異なり、低密度時の幼虫は体色が灰褐色~灰緑色ですが、高密度になると体色が暗褐色~暗緑色になり、活発に動き回ります。
越冬は西南暖地など比較的温暖な地域でのみ可能 で、卵はイネ科植物の根元などに卵塊状に産み付け られます。幼虫は低密度時には昼間は未展開の葉や 葉鞘の中に潜み、夜間に摂食して多量の糞を残します。その後、地際等で蛹化します。
通常は大きな被害に至らずに済みますが、年によってはアジア大陸で多発した成虫が...
ネキリムシ(タマナガヤ・カブラガヤ)
ネキリムシ(タマナガヤ・カブラガヤ)
幼虫がトウモロコシの幼苗に大きな食痕をつけた り、地際で切断することから一般に「ネキリムシ(根切り虫)」と呼ばれるガ一種です。一般的にタマナヤガとカブラヤガの幼虫を指します。
終齢幼虫は体長約35~50mm。両種の幼虫は外見がよく似ており、混発することもありま す。頭部は褐色、黒褐色の網状斑があり、体は灰褐 色~褐色。タマナヤガは北陸以北では越冬できず、暖地では越冬します。カブラヤガは東北でも越冬します。
イネ科雑草の地際の葉に産卵し、幼虫は雑草を摂食します。トウモロコシに産卵することは少ないので若齢幼虫の被害はほとんど問題になりませんが、生育するにつれて雑草地から近隣の圃場へ侵入し、トウモロコシの幼苗の根元を食害します。このため発生源となる周辺の雑草を防除するとこは重要です。
しばしば茎を...
ハリガネムシ
ハリガネムシ
ハリガネムシと総称される幼虫は、コメツキムシ科の中の10種程度で、地域によって生息している種は 異なります。トウモロコシの発芽直後の種子や根を食害する甲虫の仲間です。
成虫は体長7 ~17mm程度。老熟幼虫は体長20~28mm程度で、円筒形で細長く、皮膚は硬く光沢のある濃赤褐色。幼虫、または成虫で越冬し、成虫は植 物の根際や土壌中に産卵します。
幼虫の生育には数年かかり、多くの種が属するクシコメツキ類では1世代2-4 年の経過を要します。越冬幼虫は地温の上昇とともに活動を開始し、土壌中で播種後の種子 や幼茎、根等に頭部を陥入して摂食するため、不発芽や、幼苗の生育の遅れ、さらには幼苗が黄変した後に枯死する等の被害が生じます。
トウモロコシの他にもジャガイモ、根菜類、ムギ類、イネ科牧草等、多くの植物を食害します。...