岩手県花巻市 (有)盛川農場(花巻子実コーン組合)
岩手県花巻市の(有)盛川農場(代表 盛川周助氏)は水田単作地帯に位置し92haの耕作地を家族5人と繁忙期の収穫時期に雇用1名で水稲・大豆・小麦・子実トウモロコシを生産している農場です。
規模拡大と大型機械の導入
大型機械導入で整地・鎮圧作業同時進行
経営規模が拡大して耕作地が増える中、効率の良い経営を目指し合筆による圃場の拡大とともに耕作スピードが速く効率の良い大型機械の導入を進めてきました。
機械体系を生かせる輪作作物の導入
盛川氏は常々既存機械の汎用性があり且つ小麦・大豆の増収に効果のある輪作体系の品目を増やせないか考えていましたが、北海道長沼町の柳原農場での子実コーン生産をきっかけに2013年に東北で第一号の子実トウモロコシ生産者として0.7㏊の作付けを開始しました。
子実トウモロコシの作型と栽培工程
子実トウモロコシの作型は各作物の作業分散を図るため播種は田植え後とし、収穫は稲刈り後と大豆収穫の間になるよう品種で調整しています。令和3年は子実トウモロコシ15haを小麦収穫と兼用の大型コンバインで2日間で収穫、その後の大豆の収穫へスムーズに移行でき効率的に作業分散が可能な作型を維持しています。
子実トウモロコシの面積が増えるとともに既存の循環式乾燥機では乾燥が滞ってしまうという新たな課題ができましたが令和3年にトラクターPTOで駆動するモバイルドライヤー(13トンモデル。乾燥時間約4時間)を導入、既存の循環式乾燥機6台と合わせて乾燥作業もスムーズに行えるようになりました。モバイルドライヤーは小麦の乾燥にも使用しています。
販路の確保と連耕畜携。花巻子実コーン組合設立
2013年の栽培開始当初は情報も販路もなく雲中模索でしたが近隣でブランド豚「白金豚」を生産する養豚家と出会い生産した子実トウモロコシの販路が確保されました。また養豚場から豚糞堆肥の供給を受けるなど地域における耕畜連携を確立しました。2018年には有志と花巻子実コーン組合を設立、子実コーン普及のための講演や視察の受け入れにも精力的に尽力しています。栽培面積は増加し令和4年には17㏊の作付け予定です。