千葉県成田市の小泉ファーム(代表 小泉輝夫氏)は成田国際空港の北10㎞ほどの久住地区に位置し約52haの耕作地でお米を中心に大豆・子実トウモロコシを生産している農場です。農場周辺はいわゆる谷津の多い地形で水田は低湿地にあります。そのような条件下で排水対策に多大な試行錯誤を重ねながら規模を拡大してきました。
子実トウモロコシ栽培のきっかけ
水稲は労力のかかる作物です。ワンオペ+αで規模を拡大していくためには労力の分散が必要だと感じていたところ労働生産性が高い子実コーン栽培の事を知り実際に東北で栽培している現地を視察しその可能性を信じて2014年に0.6haの作付けを開始しました。
子実トウモロコシの作型と栽培工程
当初は水田作業の合間に播種をしていましたが収穫遅れや生育不良等を経験し2020年に思い切って水稲作業前の4月上旬に播種することにしました。これが功を奏し収穫も稲刈り前に完了し収量も増加しました。現在は水稲作業前播種を継続し作付けは10haまで拡大しています。
収穫と乾燥
播種を4月にした事で台風シーズンが来る前に収穫が可能になりました。収穫はコーン専用のヘッダーを装着した汎用コンバインで刈り取るのでヘッドロスも少なく非常にスムーズに収穫可能になりました。収穫した子実トウモロコシは汎用乾燥機で水分13%まで乾燥後フレコンで保管します。
子実トウモロコシの可能性
2014年の作付け開始当初からnon-GMO国産子実トウモロコシの飼料価値に共感頂いた2名の酪農家に供給を開始し一昨年には養鶏場に試験的に出荷するなど徐々に需要が増えてきました。 現在の作付け優先順位は水稲・大豆・子実トウモロコシですが、単位面積当たりの投下労働時間が少ない子実トウモロコシは魅力的で今後の需要拡大を念頭に作付け規模を拡大し増収と安定供給を目指しています。